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コーリン鉛筆が製造した、家具などに使用される木材を軸材にした鉛筆である。 全部で24種類の木材が使用され、1本1本に、木材の名称・産地・比重(*1)が明記されている。 機械の調整を種類毎に変更しなければならないことを考えると、かなり大変な企画だったと思える。
(*1)比重(Specific gravity) 木材の比重には、次の2種類がある。
ちなみに、鉛筆で一般的に使用されるインセンス・シダー(Incense-cedar/California Incense-cedar)の比重は、 0.37 である。
参考 |
樹種名 | : | ローズウッド |
科目 | : | マメ科 Dalbeegia 属の広葉樹 |
学名 | : | Aniba rosaeodora |
英語名 | : | Rose wood |
主な産地 | : | 熱帯から亜熱帯に分布 |
気乾比重 | : | 0.82〜1.09 |
名前からも分かるように、バラのような香りをすることに由来する「ローズウッド」。
同じ「ローズウッド」でも、精油から香料を得るためのクスノキ科もあるが、木材と使用されているのは、マメ科のもので、紫檀も同じ仲間である。
樹種名 | : | アカガシ [赤樫] |
科目 | : | ブナ科コナラ属の常緑広葉樹 |
学名 | : | Quercus acuta Thunb. |
英語名 | : | Ring cupped oak |
主な産地 | : | 本州中南部から四国、九州に自生。また、朝鮮南部、台湾、中国にも分布 |
気乾比重 | : | 0.80〜1.05 平均値 0.87 |
農工具の柄などに使用され、国産材の中では硬い部類になる。おもしろいところでは、木刀は、この木材が使用されていることが多い。
樹種名 | : | オバンコール/オバンコル |
科目 | : | マメ科 Guibourtia 属の広葉樹 |
学名 | : | Guibourtia ehie J.Leonard |
英語名 | : | Ovangkol |
主な産地 | : | アフリカの象牙海岸、ガーナ、ナイジェリア、ガボンなど |
気乾比重 | : | 0.73〜0.85 |
重硬な材で、ウォルナットに良く似た木材で、高級家具材や床材など装飾性の高いところで利用されている。
樹種名 | : | アフリカンパドック |
科目 | : | マメ科 Pterocarpus 属の広葉樹 |
学名 | : | P.soyauxii Taub. |
英語名 | : | African padouk |
主な産地 | : | 西アフリカ。特に、ナイジェリア、カメルーン、ザイールなど |
気乾比重 | : | 0.63〜0.90 |
マリンバ(=木琴)の鍵盤部(=ばちで叩かれれる木)に使われている場合が多く、木材の名前は分からずとも、目にしていることが多い。
樹種名 | : | アサダ |
科目 | : | バノキ科アサダ属の落葉広葉樹 |
学名 | : | Ostrya japonica |
英語名 | : | Hop hornbeam |
主な産地 | : | 北海道、本州、四国、九州に自生。また、朝鮮南部、済州島、中国にも分布 |
気乾比重 | : | 0.60〜0.87 平均値 0.73 |
北海道では、家具材として馴染みが深い木材であるが、何故か北海道以外では、使用されることが少ない。 主に北海道の日高地方や十勝地方に多いからだろうか。
樹種名 | : | アオダモ |
科目 | : | モクセイ科トネリコ属の落葉広葉樹 |
学名 | : | Fraxinus lanuginosa f. serrata |
英語名 | : | Japanese manchurean |
主な産地 | : | 北海道、本州、四国、九州に自生。また、南千島や朝鮮にも分布 |
気乾比重 | : | 0.62〜0.71 |
野球の木製バットの材質として有名なのが、このアオダモ。最近は少なくなった木製テニスラケットやスキー板にも使用されている。野球バットなどのスポーツ用具に使用される理由は、硬い材質の割にねばりがあるため。つまる、衝撃を加えても、折れにくい特徴を持っているためである。
アオダモのアオは、樹皮を水に入れると青くなることからきたものらしく、この青い汁は染料に使われたこともある。
樹種名 | : | チーク [柚木・油木] |
科目 | : | クマツヅラ科Tectonacc属の落葉広葉樹 |
学名 | : | Tectona grandis L.f. |
英語名 | : | Teak |
主な産地 | : | タイ、ミャンマー、インドネシアなど |
気乾比重 | : | 0.57〜0.69 |
高級材として有名な木材。 現在は自然保護のため伐採禁止になっている所が多く、輸入が大変厳しくなっている。
樹種名 | : | ブナ [椈・山毛欅] |
科目 | : | ブナ科ブナ属の落葉広葉樹 |
学名 | : | Fagus crenata |
英語名 | : | Beech / Japanese beech |
主な産地 | : | 北海道南部から本州、四国、九州に産し、山の奥地に多く生育。東北が主産地 |
気乾比重 | : | 0.63 |
ブナと言えば、世界遺産にも登録された白神山地のブナ林が有名であるが、木材としては、狂いが生じやすく近年は、利用価値が少ない。
樹種名 | : | ヤマザクラ [山桜] |
科目 | : | バラ科サクラ属の落葉広葉樹 |
学名 | : | Prunus jamasakura |
英語名 | : | Plum cherry |
主な産地 | : | 本州、四国、九州に自生。また、朝鮮半島にも分布 |
気乾比重 | : | 0.60 |
サクラの木は、狂いも少なく、耐久性も高いことから、高級家具材や楽器、彫刻に使われることが多い。 また、スモークチップとしての人気も高い。
樹種名 | : | ウォルナット / ブラック・ウォルナット |
科目 | : | クルミ科 Juglans 属 の落葉広葉樹 |
学名 | : | Juglans nigra L. |
英語名 | : | Walnut / Black Walnut |
主な産地 | : | アメリカ東部及びカナダのオンタリオ州など。特に、ミズーリー、オハイオ、インディアナなどが主産地 |
気乾比重 | : | 0.63 |
チーク、ローズウッド、マホガニーと並ぶ世界的な高級材の一つ。 衝撃に強い特性を持ち、ライフルなどの銃床材に使われているのも、この木材である。
樹種名 | : | イチイ [一位] |
科目 | : | イチイ科イチイ属の常緑針葉樹 |
学名 | : | Taxus cuspidata |
英語名 | : | Japanese yew |
主な産地 | : | 北海道から九州までの深山に自生 |
気乾比重 | : | 0.45〜0.62 |
木目が細かく美しくて、加工もしやすい、と彫刻材に利用され、
北海道で有名なアイヌの熊の木彫りは、この木材が主に使用されている。
鉛筆材としても使用されるようだが、どの程度が、この木材になっているかは不明。
樹種名 | : | キリ [桐] |
科目 | : | ゴマノハグサ科キリ属の落葉広葉樹 |
学名 | : | Pauloumia tomentosa |
英語名 | : | Paulownia / Royal paulownia |
主な産地 | : | 北海道南部以南において植栽 |
気乾比重 | : | 0.19〜0.30 |
桐といえば、箪笥(タンス)というほど、馴染みの深い木材。日本の木材の中ではもっとも軽い。
樹種名 | : | コクタン [黒檀] |
科目 | : | カキノキ科カキノキ属の常緑広葉樹 |
学名 | : | Diospyros philippensis Gurke |
英語名 | : | Ceylon ebony |
主な産地 | : | インドネシア(セレベス島)を中心に東南アジア全域に生育。また、アフリカの一部にも分布 |
気乾比重 | : | 0.85〜1.09 |
樹木鉛筆の中で、もっとも重い鉛筆。非常に重く硬い木材で、耐久性は非常に優れている。 黒檀と聞いて、真っ先に思いつくのが、仏壇であるが、他に、ゴルフのクラブヘッドなどにも用いられている。
樹種名 | : | パオロッサ |
科目 | : | マメ科ジャケツイバラ科の広葉樹 |
学名 | : | Swartzia fistuloides |
英語名 | : | Pao rosa |
主な産地 | : | コンゴなど赤道アフリカに多い |
気乾比重 | : | 1.02 |
別名、アフリカ紫檀とも呼ばれる。実は、黒檀と同じく仏壇に使用されていることが多い木材。黒檀に比べ安価であるため、黒檀の代替に使われているようだ。
樹種名 | : | ゼブラノ / ゼブラウッド |
科目 | : | マメ科 Microberlinia 属の広葉樹 |
学名 | : | Microberlinia Brazzavillensis A.Chev. |
英語名 | : | Zebrano / Zebra wood |
主な産地 | : | アフリカに分布し、ガボン、ナイジェリア、カメルーン、タンザニアなどの熱帯雨林に生育 |
気乾比重 | : | 0.69〜0.84 |
昭和30〜40年代にかけて、洋服タンスの化粧板に使われたのが、この木材。材は黄色で赤色の縞があることから、「ゼブラ」の名が付いている。写真の鉛筆軸の幅では、ゼブラウッドの特徴がわかりにくいかも知れない。
樹種名 | : | モッコク [木斛]/ アカミノキ |
科目 | : | ツバキ科モッコク属 |
学名 | : | Ternstroemia gymnanthera |
英語名 | : | Ternstroemia / MOKKOKU |
主な産地 | : | 本州、四国、九州、沖縄、東南アジア |
気乾比重 | : | 0.80 |
日本庭園などの庭木、公園樹として植えられていることが多い。ツゲ(柘植)と並んで、櫛用材として使われている。
樹種名 | : | アフロルモシア / アサメラ |
科目 | : | マメ科 Pericopsis 属の広葉樹 |
学名 | : | Afrormosia elata Harms. |
英語名 | : | Afroromosia / Asamela |
主な産地 | : | アイボリーコースト(象牙海岸)、ガーナ、ザイールなどに生育する |
気乾比重 | : | 0.60〜0.80 |
高級材のチークの代用として使われることが多い。
樹種名 | : | ケヤキ [欅] |
科目 | : | ニレ科ケヤキ属の落葉広葉樹 |
学名 | : | Zelkova serrata |
英語名 | : | Japanese zelkova |
主な産地 | : | 本州、四国、九州に自生し、朝鮮にも分布する |
気乾比重 | : | 0.47〜0.69 |
日本を代表する落葉広葉樹。古くから、建築材、家具材、建具材として広く利用されている。特に、寺社建築に使われていたり、昔の家の大黒柱も、この木材のことが多い。
樹種名 | : | マドローネ / マドロナ / パシフィックマドローン |
科目 | : | ツツジ科アルブツス属 |
学名 | : | Arbutus menziesii |
英語名 | : | Madrone / Pacific madrone |
主な産地 | : | アメリカ西海岸に分布する |
気乾比重 | : | 0.64〜0.77 |
この樹木のこぶ(瘤)が非常に有名で、装飾材として珍重されている。
樹種名 | : | ミズナラ [水楢] |
科目 | : | ブナ科コナラ属の落葉広葉樹 |
学名 | : | Quercus crispula |
英語名 | : | Japanese oak |
主な産地 | : | 北海道から本州、四国、九州に生育。樺太、千島、朝鮮にも分布。 |
気乾比重 | : | 0.67 |
ウィスキーなどの洋酒の樽の材料に使われている。
特に、北海道産が質・量ともに有名で、「道産の楢」と呼ばれる。
ちなみに、三菱鉛筆のピュアモルトシリーズで使用されているのは、ホワイトオーク。
樹種名 | : | ヨーロピアンメープル / ホワイト シカモア |
科目 | : | カエデ科の落葉広葉樹 |
学名 | : | Acer Pseudoplatanus |
英語名 | : | Europianmaple |
主な産地 | : | ヨーロッパ中部及び西アジアに分布。 |
気乾比重 | : | 0.54 |
ストラディバリウスに代表される高級なヴァイオリンに使われているのが、この木材。
ホワイトシカモアという名前は、日本の木材業界だけで通用する名称で、海外ではシカモアメープル、ヨーロピアンメープルの名前で流通している。
アメリカにも生育するが、フランス産ものが最高の材とされている。
樹種名 | : | マホガニー [桃花心木] |
科目 | : | センダン科の広葉樹 |
学名 | : | Swietenia macrophylla King. |
英語名 | : | Mahogany |
主な産地 | : | 中米及び南米に分布 |
気乾比重 | : | 0.65 |
高級車のダッシュボードなど、内装装飾材として使用されていることで有名。 古くから世界的な銘木の一つとなっている。
樹種名 | : | カヤ [榧] |
科目 | : | イチイ科カヤ属の常緑針葉樹 |
学名 | : | Torreya nucifera |
英語名 | : | Japanese torreya |
主な産地 | : | 本州中南部から四国、九州の主として暖帯に生育。また、朝鮮にも分布する |
気乾比重 | : | 0.51 |
水や湿気に対して腐りにくいため、風呂桶などの浴室用具、船舶材に使用されてる。 また、碁・将棋盤の材質としても有名。
樹種名 | : | ヒノキ [檜・檜木・扁柏] |
科目 | : | ヒノキ科ヒノキ属の常緑針葉樹 |
学名 | : | Chamaecyparis obtusa |
英語名 | : | Hinoki cypress / Japanese cypress |
主な産地 | : | 日本特産種で、本州中部から四国、九州を経て屋久島に分布 |
気乾比重 | : | 0.41 |
日本特産種で、日本を代表する木材。
寺社建築、家具材など幅広く使用されている。また、耐水性も良いことから、風呂道具にも使用されている。
軸には、"Japanese cypress" と表記されているが、最近の英語名は、"Hinoki cypress"となっている。
Last update: 2008/06/16