印鑑をカードサイズにするというのは、あまり利点がないように思えるかも知れないが、印鑑を必要とするシーンは、意外と多い。
印章は、(株)タンゴのIN-CARDの様な朱肉のいらない浸透タイプのものと、インタッチの様な朱肉が必要な通常のタイプがある。 浸透タイプは、実印や銀行印には使用できないが、認め印として財布の中などに入れておけば、いざと言うときに便利である。 通常タイプのものは、もちろん銀行印として使用することは出来るが、実際に使用するには銀行側の対応など抵抗があるかもしれない。こちらも認め印として使用するのが適当だろう。
カード型文具が流行した1987(昭和62)年ごろには、(株)タンゴのIN-CARDの他、パイロットの「Zero in(800円)」、日本法令の「インタッチ(1,000円)」、塚原工業の「ポンカード(800円)」など、複数の製品が登場していた。しかし、今挙げたなかで、今も入手できるのは、(株)タンゴのIN-CARD/IN-CARDY くらいではないだろうか?
一方、最近では、スライスされた印章部分に取っ手をつけた印鑑がカードサイズのケースに収まったものも出ており、こちらの方が「印鑑を押した」という感触があり、金融機関等へに使用にも抵抗が少ないと思われる。(まだ研究所では入手していないので、あくまで見た目の印象である。)
参考:文具・事務機でみる戦後50年 1945-1995(文研社)
2005/11/27 "IN-CARD/IN-CARDY"のページを改訂
2013/07/13 IN-CARDYの写真を入れ替え、ページレイアウトを変更
・製品名/型番 | : | IN-CARD IN-CARDY |
・製造・販売 | : | (株)タンゴ |
・発売時期 | : | 1987(昭和62)年10月ころ |
・サイズ (縦×横×厚さ[mm]) | : | 55 × 85 × 4 |
印章は、朱肉のいらない、浸透タイプのものである。
IN-CARD は、印章のみであるが、IN-CARDY は、ボールペンが付属している。
IN-CARDY は、その名の通り、実は、ZEBRA の CARDY シリーズの1つとして販売されていたことがある(CBH-1500)。
その後、CARDY シリーズの販売が終了し、現在は、(株)タンゴから販売されている。
付属のボールペンは、当初(ZEBRA CARDYシリーズのころと推測)、黒と赤の2色の油性ボールペンであったが、何らかのトラブルにより、赤の方は取りやめられ、タンゴからは、黒が2本入った状態で提供されている。
個人的には、黒と赤の2色ボールペンの復活を望みたいところだ。
IN-CARD の方は、近所の文房具店の片隅に残っていたもので、自分の名前が無かったため、他の名前のものを購入した。
IN-CARDY の方は、(株)タンゴより直接購入した。
・製品名/型番 | : | IN TOUCH |
・製造・販売 | : | (株)モッコス |
・発売時期 | : | 1987(昭和62)年10月ころ |
・サイズ (縦×横×厚さ[mm]) | : | 51 × 81 × 5 |
浸透式ではない、朱肉を必要とするタイプの印鑑である。 印鑑は、写真の"PUSH"の部分にある。 朱肉は、スライドする蓋の裏側にあり、スライドで閉めたときに、ちょうど、印鑑の位置に朱肉がくるようになっている。
製品名から、日本法令の「インタッチ(1,000円)」は、この製品だと思われる。
購入時の価格は、800円である。
入手は2003年ころであるが店頭在庫のものだったので、今も入手可能であるかは不明である。
・製品名/型番 | : | Handy Pact / HD-200 |
・製造・販売 | : | ミヤ化学(株) |
・発売時期 | : | |
・サイズ (縦×横×厚さ[mm]) | : | 51 × 75 × 14.5 |
カード型印鑑とは、ちょっと違うが、朱肉付の印鑑ケースも紹介する。
11〜12mmの標準的な印鑑を収納することが可能である。また、朱肉以外に、切手や収入印紙が入るケースがついている。
印鑑ケースであるため、捺印するときは、印鑑を本体から引き出して、付属の朱肉を使うことになる。
価格は、200円 である。
Last update: 2013/07/13