コーリン鉛筆(株)が1997(平成9)年に倒産する直前まで展開していたのが「イタリコ(italico)(*1)」シリーズである。
イタリアをイメージする4色(空:ブルー、太陽:レッド、緑:グリーン、風:イエロー)をデザインコンセプトにした製品群で、1987(昭和62)年にリリースされ、60アイテム以上でている。その後、1994(平成6)年にロゴを筆記体に変更し、配色も変えてリニューアルしている。
(最終的なアイテム数は、確認できてない。)
初期とリニューアルの違いは、"italico" のロゴや配色で見分けることが出来るが、正確には、型番の末尾によって、"-IT"(初期)もしくは"-IT II(*2)"(リニューアル)で判断できる。
未確認ではあるが、一部の製品には、ロゴがないものや型番の末尾に"-IT"がない場合もあるようで、そうなると、どの特徴を見て「イタリコシリーズ」であるかを決定づけるのは難しい。
そのため、当面の間、本ページにおいては、以下の両方もしくはどちらかの条件を満たした場合のみ本シリーズの製品と見なすことにした。
2003年頃から、本シリーズの存在を知り、日頃の文具探検活動の中で少しずつ入手してきたものを、ここに掲載する。(今後、入手次第、追記することもあり得る。)
また、下記 BLOG にて、イタリコシリーズだけでなく、コーリン鉛筆についての多数の情報が掲載されていることから、微力ながらも情報提供のお役に立てればと思い、本ページを作成した。
参考:「文房具の歴史」(文研社)に掲載の広告
(*1)正確には、最後の"o"の文字の上には、":"を横にしたマークが付く。
(*2)ギリシャ数字の2(他機種を考慮し、本ページでは、"II"と表記)
2007/08/05 追記
suzumiya.pressのすずみ氏より、6種類提供。多謝。
2008/01/06 追記
コーリン鉛筆カタログ化計画のKero556氏より、NE105-IT提供。多謝。
2008/08/03 追記
文具蒐集の日々のDuchamp氏より、FTP200-ITを提供。
コーリン鉛筆カタログ化計画のKero556氏より、BA500-ITを提供。
両氏に多謝。
初期デザイン(1987(昭和62)年〜1994(平成6)年)
ゴシック体をベースにしたロゴで、配色の組み合わせは単純ではあるが、他のコーリン鉛筆の製品とは明らかに違いが分かる。
・種別 | : | シャープペンシル |
・型番 | : | SP104-IT |
実は、一緒に写っている赤い軸の方は、100均ショップで購入したもの。そのため、italico のロゴやメーカーの刻印が入っていない。しかし、配色が違う以外は、外観は全く一緒である。
価格は、\100(当時)。
・種別 | : | シャープペンシル |
・型番 | : | SP200-IT |
値段が\100アップし、SP104-ITよりも軸が太めになり、全体の作りもアップしている。
ガイドパイプがスライドするタイプ。
価格は、\200(当時)。
すずみ氏より提供。
・種別 | : | シャープペンシル |
・型番 | : | SP300-IT |
軸の内部と先端部が金属製。キャップは、SP200-IT と同じ形状。ガイドパイプがスライドするタイプ。
価格は、\300(当時)。
すずみ氏より提供。
・種別 | : | シャープペンシル |
・型番 | : | SP500-IT |
軸全体が金属製。
価格は、\500(当時)。
すずみ氏より提供。
・種別 | : | マルチペン |
・型番 | : | MB300-IT |
シャープペンシルとボールペンのマルチペン。
価格は、\300(当時)。
すずみ氏より提供。
・種別 | : | 鉛筆 |
・型番 | : | 5500-IT |
コーリン鉛筆 No.5500 のイタリコカラーバージョン。トップに、イタリコシリーズの展開を始めた1987年の数字が書かれている。
価格は、\50(当時)。
すずみ氏より提供。
・種別 | : | シャープペンシル用替え芯 |
・型番 | : | NB2570-IT |
コーリン鉛筆と言えば「ゴールド替え芯」が有名であるが、これは、普通の替え芯。
価格は、40本入りで\200(当時)。
・種別 | : | 定規 |
・型番 | : | RL100-IT |
12cm の定規。配色が4パターンあることが分かる。
価格は、\100(当時)。
・種別 | : | 合成のり |
・型番 | : | GL101-IT |
赤と緑の2色だと、人参をデザインしたかのように見える。
本体にされている英文は以下の通り。
Italian Connexion
The cheery wind from Tyrrhenian Sea is blowing through Napoli, Roma, Mirano and Torino....!
The folks are singing, dancing and talking.
The jovial Italian night is growing late smoothly.
価格は、\100(当時)。
・種別 | : | 消しゴム |
・型番 | : | NE105-IT |
紙巻きの消しゴム。
長さ90mm(キャップ除く)
価格は、\100(当時)。
Kero556氏より提供。
・種別 | : | 万年筆 |
・型番 | : | FTP200-IT |
使い捨ての万年筆。実は、タイプライターで有名やイタリアolivettiの販促ロゴ入り。
販促ロゴは、ちょうどitalicoロゴの裏側になるため、写真には写っていない。
イタリアをテーマにした製品が、イタリアのメーカーの販促に使われたと言うところが、うれしい。
長さ:128.5mm(キャップ時)
価格は、\200(当時)。
Duchamp氏より提供。
・種別 | : | バンドケース |
・型番 | : | BA500-IT |
書類などを収めるファイルケース。製品カタログ上では、「バンドケース」と明記されている。
サイズ:228mm×315mm
価格は、\500(当時)。
Kero556氏より提供。
リニューアルデザイン(1994(平成6)年〜)
ロゴが小文字筆記体に変更となった。また、配色が大胆になっているところも、特徴。
・種別 | : | 修正ペン |
・型番 | : | CRP300-IT II |
イタリコシリーズのリニューアル最初の製品が、この修正ペン。
価格は、\300(当時)。
・種別 | : | シャープペンシル |
・型番 | : | SP104-IT II |
部品や形状は、初期デザインの SP104-IT と同じであるが、大胆な配色やロゴが変わったことで、印象ががらりと変わっている典型的な例。
価格は、\100(当時)。
・種別 | : | シャープペンシル |
・型番 | : | SP200-IT II |
本体のカラーリングでなく、個々の部品の色の組み合わせでシリーズのコンセプトを表現している。透明な軸にロゴを印刷するためか、ロゴ自体にカラフルな配色はない。
価格は、\200(当時)。
・種別 | : | 鉛筆 |
・型番 | : | NO.5500-IT II |
抗菌仕上げの鉛筆。
カラーリングが、基本コンセプトと異なっているところが気になる。軸のロゴが無ければ見過ごしてしまう。
文具の抗菌化ブームは、1994(平成6)年以降なので、シリーズのリニューアルにあわせて発売されたものと思われる。
価格は、\50(当時)。
・種別 | : | カラーマーカー |
・型番 | : | AP350-IT II |
正式な商品名は「いろいろペン」という。内容は、以下の通り。
価格は、\350(当時)。
すずみ氏より提供。
番外
イタリコのロゴも型番もないが、カタログ上は、イタリコシリーズとして扱われている製品。
・種別 | : | テープディスペンサー |
・型番 | : | No.TD12 |
1987年度にグッドデザイン賞、1988年度にロングライフデザイン賞を受賞した"SUGATA-TD3"のイタリコ・カラー・モデル。
写真のように、ベースを含めてイタリコ・カラーにしたモデルの他に、ベースを黒にして、リング内のコロをイタリコ・カラーのうちの1色を使用したモデルもある。
価格は、\1,800(当時)。
グッドデザイン賞受賞時の価格は、\2,000だった。