携帯文具:「ハサミ」を携帯する


  私は、結構、飛行機で移動することが多いのだが、文房具の中でいつも困るのが、ハサミとナイフである。
困る理由は、飛行機の手荷物検査にチェックされ、機内持ち込みできないからである。 仕事で飛行機に乗るときは、通常は鞄一つである。その中に、ハサミが1つでもあると、検査に引っかかって鞄の中からハサミが没収される。
ハサミが没収されること自体、保安のためであることは十分理解しており、それについて苦言を言うつもりはない。本当の意味で困る理由は、ハサミが没収された後のことである。

困った状況になるのは、飛行機が目的地に着いた後に乗らなければ電車の時間がぎりぎりの場合である。
当然、ハサミは没収されてるため、たった1個のハサミであっても、機内預けの荷物と同じように扱われる。
そのため、機内預けの荷物が出てくるまでは、ハサミも戻ってこないのである。 この待ち時間が、長くなると、当然、電車に乗り遅れる。都会ならば10分おきに電車が次々と来るだろうが、田舎の場合は、これを逃すと1時間待ちだったり、 最悪は、もうその日は最終目的地に到着できない、などという場合すらある。たった1個のハサミでさんざんな目に遭うこともあるのだ。

さて、ハサミの携帯についての研究だが、刃がついているために、携帯するには、刃の部分をいかにして保護するか、が重要である。 また、小さく軽くなっても、使い勝手が悪ければ、何の意味がないことは、当然である。 ここでは、薄型、変形型、折りたたみ型、格納型の4つの紹介する。


  Secretary  
  • Secretary

    「システム手帳に挟むことができる」というのが、謳い文句の薄型ハサミである。
    本当に薄い。そのため、ちょっと厚手の紙を切ると、指が痛くなるという欠点もある。

 

  か・ら・あ
か・ら・あ
 
  • か・ら・あ

    実は、これ、三菱鉛筆の製品。いわゆる、「和ハサミ」の構造である。
    刃の部分だけが金属で、他は全てプラスチックでできている。キーチェーンがついているので、 鍵と一緒に持ち歩けるようになっている。 刃先が丸くなっているので、安全であるが、細かな作業をするには、少々不向きか。

 

  めがねハサミ
めがねハサミ
 
  • めがねハサミ

    釣具店などで売っているのものである。 握りの部分は、ABS樹脂でできているため、使いやすい。
    また、刃の部分が握りの輪の中に収納するときは、刃が当たらないように金属のガードの内側に入るようになっている。
    使用頻度によっては、握りの部分が割れることもあり、耐久性は少々低いものの、携帯には便利である。

 

  おりたたみハサミ
おりたたみハサミ
 
  • おりたたみハサミ

    これも、釣具店などで売っているのものである。 本来はキーチェーンが付いていたが、煩わしいのではずしてしまった。
    折りたたみという特性上、刃渡りは短いものの、構造は良くできており、釣り糸を切るには 十分である。 このハサミは、かれこれ15年以上前のものであり、もう、何度となく開いたり閉じたりを繰り返しているが、 いまだ握りと刃先の部分はしっかりしており、不用意にハサミが開くことはない。
    広げた状態は、一見すると「鼻毛切りハサミ」のような印象を受けるが、かなり使い勝手がよく個人的には高い評価をしている。

 

じつは、ここにあげたものはどれも、普段は持ち歩いておらず、CARDY Q2 のハサミを携帯している。
上記の中では、「おりたたみハサミ」をお薦めしたい。 ただし、人によっては、この「おりたたむ」行為が煩わしく感じるかも知れない。そういう人には「めがねハサミ」のほうが適しているかも知れない。

ところで、ハサミは、どのような時に必要と感じるだろうか?

はじめからハサミを使うことが前提の作業は、それなりのハサミ、例えば、紙を綺麗に切るためのハサミを準備することができるであろう。 しかし、ハサミを携帯して役立つ場面というのは、ハサミが必要だったとは想像できなかったときではないだろうか。
そう考えると、上記にあげたハサミは、どれも「紙を綺麗に切る」ことはあまり得意ではないが、とにかく「物を切る」ことに関しては必要十分な条件を満足しているのではないだろうか。

 
 
所長 どら 

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Last update: 2002/12/07

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